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あなたは“1日何歩”歩いていますか?

一日の目標歩数を決めて、健康的に楽しく歩きましょう。 毎日30分は 早足散歩をしてみてはいかがですか? 雨の日は無理せず、晴れた日に楽しく…

 

男性9,200歩、女性8,300歩を目標に

「健康日本21」では、男性9,200歩、女性8,300歩を目標に歩くことを勧めています。これは、1日当たり平均歩数で1,000歩、歩く時間で10分、歩行距離で600〜700m程度の増加に相当します。70歳以上の方では、男性6,700 歩、女性5,900歩が目標とされ、これは、1日当たり平均歩数で1,300歩、歩く時間で15分、歩行距離で650〜800m程度の増加に相当します。

 詳細は「健康日本21」各論のページでご確認下さい。 >> 健康日本21

出典: Hakin AA et al N Eng J Med1998 338 84-89 1日30分歩くという適度な運動だけでも 1週間で耐糖能が改善します。(ハワイ在住の日本人で、60歳以上を過ぎた人で1日3km以上歩いた人の結果をみてみると一日の歩行数が少なかった人に比較して死亡率が減少したと報告されています。

 

ウォーキングの習慣を身につけ、日常的に行うことで
糖尿病の発病予防が期待できます。

出典:泉他 日本循環器病予防学会誌 Vol.40, No.1, Page.15-21,2005

活動的によく歩くウォーキングの習慣を身につけた人29名を調べたところ、7割の人が血糖,血中インスリンは改善したという報告でした。ウォーキング習慣を身につけることは、血糖と血中インスリンを改善でき,糖尿病の発病予防が期待できると報告されています。

 

耐糖能異常がみられた人に運動療法を試みた結果、
耐糖能の改善と血清コレステロール値も低下しました

出典: 久賀他 広島医学 Vol.56, No.7, Page.436-440 2003

70歳以下の住民で過去3年間の住民検診で空腹時血糖110mg/dl以上,またはHbA1c5.6%以上を示し医療機関にかかったとこのない方を対象に運動療法を12週間実施しました。心拍を監視しながら、週1回90-120分の有酸素運動,および毎食後15分のウォーキング,2日に1回の20分以上のウォーキングからスタートし最終的に40分継続するウォーキングを中心に行いました。その結果、耐糖能の改善だけでなく血清コレステロール値の低下効果を認めたと報告されました。

 

耐糖尿病・糖代謝・高インスリン血症と   
アルツハイマー病

アルツハイマー病の患者では空腹時のインスリン値が高く、インスリン抵抗性を示す報告が多く発表されています。われわれの調査でも60歳以上のアルツハイマー病患者では高インスリン血症を示す例が72.2%(70/97)と高率でした。特に、女性アルツハイマー患者では菓子など甘いものを多く摂取する傾向が強く耐糖能正常例でも高インスリン血症例は女性のほうが男性より多い傾向がありました(81%[17/21] vs 66%[ 15/23])。規則的な運動がADを予防するとされ、運動するほどインスリン感受性が高くなるためと考えられます。

また、運動は血圧や脂質レベルを低下させ血小板の凝集を抑制したりあるいは脳代謝が増加することにより脳血流を維持していると報告されています。さらに、Laurin博士らの研究グループでは、運動は女性のほうが男性より有効があるのは運動とホルモン代謝になんらかの関連があるためではないかと述べていますが、詳細は不明です。むしろ、女性のほうが男性より高インスリン血症があるのかもしれないと考えられています。

インスリンとアミロイドβ(Aβ)蛋白はインスリン分解酵素(insulin degrading ewnzyme:IDE)の共通の基質で、しかも、IDAはAβ蛋白よりもインスリンのほうにはるかに親和性が高いのです。そのため、高インスリン血症は Aβ蛋白の分解を抑制しADを起こしやすくなると考えられます。規則的な運動を日課とすることはAD発症の予防に繋がり、重要です。

(記 植木彰)

 

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