健康・介護の情報まかせて─街の薬局 変身中─
街角から健康情報を発信しようと、薬局が変わり始めている。血圧や骨量の測定サービス、健康や介護についての相談コーナーなどを設け、家族の健康管理に役立ててもらおうという試みだ。ドラッグストアの店頭から、専門知識を地域に浸透させるアドバイザーの活動も始まっている。
東京都台東区のケイ薬局。装置に片足を乗せて数秒すると、超音波が骨内を伝わる速度が表示された。
管理薬剤師の宮原富士子(44)さんが助言する。
「骨量は健常範囲だけれど、油断は禁物。40代から年々減少し、特に女性は閉経後急減することがあるので適度な運動とカルシウムの摂取を心掛けて」
宮原さんは、女性のための健康相談「ウイメンズヘルスプロモーション」を4月からスタートさせた。月経や避妊、更年期などに関する相談にのっている。
薬局内で、国の「健康日本21」についてパネルやビデオを使って説明したり、血圧や食事のチェック、禁煙指導、サプリメントの情報提供など、健康管理のサポートもしいる。
女性の健康を支援する「ジェンダーメディカルリサーチ」代表でもある宮原さんは、1年間の健康記録がつけられる「女性のためのおくすり手帳」を作ったり、保健所の健康教室の講師をしたり、様々な活動をしてきた。
その中で、「健康への関心は高まっているが、相談窓口は少なく、十分な利用もされていない。地域に根ざした情報発信基地の必要性を痛感した」という。
日本大学の久代登志男助教授は「たとえば、高血圧は生活習慣改善が第一。病因の説明のわかりにくかった部分を薬局で確認し、理解を深めてもらいたい。病院とかかりつけ薬局が連携すれば、予防や治療の効果もあがる。医師には言えないことも、薬局ならば気軽に話せるかもしれない。それぞれの人の健康管理の向上に繋がれば」と期待する。
一方、全国200社が加わる日本チェーンドラッグストア協会では、ヘルスケアアドバイザー認定制度を01年に始めた。病気や薬、栄養や運動について幅広い知識を持つ専門家を育てるもので、1年間通信教育を受けて試験に合格すると、認定証をもらえる。これまでの認定者は男性1139人、女性393人。10代から60歳以上までと幅広く、北海道から沖縄県まで、全国の店頭などで相談に乗る。
神奈川県大磯町にあるクリエイトSD大磯店の菅野裕介店長(25)は、昨年暮れに認定された2期生。
広い店内にいつも気を配り、客に助言をする。
多いのは薬や健康食品、介護用品についての相談だ。新商品が出たり、テレビや雑誌で話題になったりすると、問い合わせも集中する。「情報があふれているからこそ、正確で役立つ内容を提供する責任を感じている。地域に密着したかかりつけ薬局として気軽に利用してもらえたら」と話す。(朝日新聞 家庭 2003.5.5)
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